うまくいかないことがたくさん!
コミュニケーションを扱いたいと思ったのは僕自身ずっとそこを気にしてきたからだと思います。
大阪育ちで、見た目がよいわけでも、運動ができるわけでも、頭がよいわけでもなかった僕は、それでも“ひょうきん者”として自分の居場所を見つけることができていました。ひょうきんであることは、大阪ではかなり有利に働きます。おかげで小学校のときは毎日を楽しく過ごすことができていました。
しかし、中学、高校と進む中で、僕よりもおもしろい人が次々に現れ、僕は次第に苦境に立たされました。
“何をどんなふうに話せばウケるの?”。そればかりが気になり、人と話すときは顔が引きつるようになり、次第に関西の言葉も話さなくなりました。
おもしろいはずの自分、居場所があったときの自分を取り戻したいと思えば思うほど、人とのコミュニケーションに恐れを感じることになりました。おもしろいかどうかを、いつも試されているような気分になったのです。
思えばそんなふうに壁にぶち当たったことで、学生の頃から、ずっとコミュニケーションに関心を持っていたんだと感じます。
ワールドカフェに衝撃を受けたこと
本格的にコミュニケーションについてのスキルを身に着けようと考えたのは、ワールドカフェという対話のイベントに参加したことがきっかけでした。
ワールドカフェは、1995年に、アニータ・ブラウンとデイビッド・アイザックスが開発・提唱した対話手法のひとつです。
参加者はグループごとに分かれて「問い」をもとに対話をします。いくつかのラウンドがあり、ラウンドごとにメンバーの席替えが行われて、話のアイデアがどんどん広がっていきます。
ファシリテーターと呼ばれる進行役が、話し方のルールや席替え、問いについてなどを説明、場のスムーズな進行をサポートを行います。
皆初対面の人ばかりだったのですが、一人ひとり順番に話せるよう配慮されているので、落ち着いて話したり聞いたりすることができます。ウケる話をしようとしなくてもよく、ここにいていいんだという安心を感じつつ僕はそこにいることができました。
“こんなコミュニケーションのやり方があるのか!”。
コミュニケーションは、“話し手がいかにおもしろい話をするか”とか、“もともとセンスのいい人が上手な掛け合いをしていくもの”だと思っていた僕はこの手法にとても驚きました。また、コミュニケーションはいろいろなスタイルがあり、やり方を身につけることができるのだ、ということにも気がつきました。

コミュニケーションを学べる場がいっぱい!
ワールドカフェの魅力に感銘を受けた僕は、コミュニケーションが学べる場を探しはじめることになりす。
最初に学んだのは2014年の青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム(WSD)。そこで、ワークショップデザインの手法を学びました。
そこから、ワークショップの進行役になりたいと思い、ファシリテーターとして立てる現場を求めて「プロジェクトあしがらアドベンチャー21(PAA21)」のファシリテーター養成講座に参加。さらに、「レゴ(R)シリアスプレイ(R)教材とメソッドを使ったワークショップ」の認定ファシリテーターとなり、その後も、組織開発の源流となる「Tグループ」を学んだり、グループやチームが成長していくプロセスを身につける「グループ・プロセス・コンサルテーション」に参加したり、システム思考などを扱う「学習する組織」を体験したり、「コーチング」を学んだり、「manegement3.0」を学んだり……。
いまは「NVC(NON VIOLENCE COMMUNICATION)」と「システムコーチング」を学んでいるところです。
コミュニケーションを楽しく紐解く!
こうやって書きだしてみるとだいぶインプットがたまってきたと感じます。
少しずつアウトプットもしているのですが、これからはインプットを続けながらもアウトプットの量をどんどん増やす形で学びを深めていきたいです。頭でっかちになりすぎず、情報の発信をしたり、コミュニケーションのサービスを提供したり、場をつくったり。
自分との関わりや他人との関わりに僕自身たくさん悩んできましたし、いまももちろん学びの途中にいるのですが、多くの人が僕と同じようにコミュニケーションに躓いたり、頭を悩ませているのを感じています。
悩むことはよいことだと思うのですが、新しい視点や視野を持ち込まず堂々めぐりしているのはもったいないように思います。
コミュニケーションを学ぶと、自分への理解が進み、他人への思いやりが高まり、グループやチームとしても効果的な活動ができるようになります。
コミュニケーションを紐解いて、ステップアップしていける課題におきかえて、自分や他人とのかかわりを、いまよりもっと楽しいものに変えてみませんか?